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「風よ あらしよ」

ついに、遂に!「風よ あらしよ」を読みきった!加藤さんの吉川英治文学新人賞をきっかけに知って読み始めたので、約3年かかったことになる…。ははは。

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何故こんなにも時間がかかったのかと言うと、初っ端も初っ端の最初の章で主人公である野枝の悲しい最期が描かれるのだが、そこから物語は野枝の生まれに遡っていく。そして、成長して学校に通い始めるまでが描かれていくのだが、野枝の言動がどれも鮮烈で強烈で力強く、己の眠っていた内なる反抗心が呼び覚まされ血がふつふつと煮えたぎってきそうな強さがあるので、この素晴らしい人があんな最期を迎えるのかと思うと、ページをめくる手がだんだん重くなっていた。

また、私が中高生くらいの頃「天使の卵」とか「おいしいコーヒーのいれ方」シリーズとかを読んでいたので、村山由佳さん独特の恋愛描写にコレコレ!となりながらも、野枝の相棒になる大杉との出会いと大杉の掲げる「自由恋愛論」に、いやそれにしても身勝手すぎやしないか?とだんだんどうでもよくなってきて、読み進めるのが億劫になったのもある。

ただ、色々なあれこれを経て野枝と大杉がまた雑誌を出版したり運動を始めてからは、またイケイケ!やれやれ!となり、どんどん読み進められた。

「風よ あらしよ」を読んでいると、女に勉強はさせるな!女の不貞は絶対に許さない!政府に反抗する奴はでっち上げても罰する!って、100年前の話だもんねぇみたいに言えない現代!!!みたいになって暗澹たる気持ちになるし、その野枝さんの意志私たちが潰しはしませんよ!という気持ちになる。ここ最近、どの口が言ってんの?という言動をする人々に憤っていたので、今これを読めたのとても良かったなと思う。それに、9月1日はもう過ぎてしまったけれど、関東大震災後にこのような悲劇に合った日本人もいるということを知るためにも、より多くの人に読んでほしいなと思った。この現代にこの物語を書いてくれた村山さん本当にありがとう!だし、同時期に賞を受賞してくれて加藤さんありがとう!

これでやっとBSで放送していた「風よ あらしよ」ドラマの録画が観られる。それにしても、『正欲』もだし吾郎さん良い役もらってるな。

あと「気になったので「文明批評」を調べたら5000円くらいで手に入りそうだったけれど、書店で頼んだら本当に買えるのかな?野枝や大杉や仲間たちがどんな文章を綴っていたのか、ちょっと読んでみたい。

あとどうでもいいことだけど、私は村木源次郎が好きだな。